《保育園開設までの費用について》

お金

本日は「保育園開設までの費用について」述べたいと思います。

開業する方にとって一番気になる問題ですが、賃貸物件で始める場合は開業までおおよそ400万円~700万円の費用が発生します。以下内訳です。

  • 広告宣伝費:20万円~50万円
  • 内装工事費:100万円~150万円
  • 物件取得費:100万円~150万円
  • 備品・消耗品費:50万円~100万円
  • コンサルティング費用:200万円~300万円

なぜ400万円~700万円とここまで開きがあるのかといいますと、やはり大きな要因として「コンサルティング費用」が挙げられます。

競合会社が少ない保育コンサルティング業界においては適正価格が維持されているとは言い難く、相場のわからないまま高額なコンサルティング契約をしてしまうということも多々あります。

また上記費用のうち「内装工事費」についても、請負工事業者からバックマージンを得ているコンサルティング業者も数多くあり、契約後でも高額な工事費を請求される例も見られます。

上記「広告宣伝費」に関しても効果があるのか分からないポスティングや出来上がったホームページが陳腐であったり等、対費用効果が感じられない施策を行う業者も存在します。

あくまで私がアドバイスできることとしては、必ず数社を見比べてから契約する事、自分でも勉強を怠らず相場を知る事、工事や備品関係など自分自身でできる裁量を確保しておく事、契約書の隅々まで確認し不利な条文を削除すること、などが挙げられます。

ちなみに私の立場として申し上げますと、上記費用のうち、「物件取得費」仲介手数料部分を半額にすることで費用削減にご協力できるかなと考えております。合わせて客観的なアドバイスもさせて頂きます(※こちらはもちろん無料です)。

また賃貸ではなく、物件を購入して始める場合は立地や建物の規模によって大きく変わってきます。数千万円~1億円規模の費用が発生しますので事業用ローンについても是非ご相談下さい。

さらに「助成金」についても忘れてはいけません。保育園開設については国や自治体が各種助成金を出しております。こちらに関しては次のページで述べておりますので是非ご確認ください。

《認可を得るための諸条件について【設備・人員編】》

幼児本日は「認可を得るための諸条件について【設備・人員編】」について述べたいと思います。

こちらに関しては国によって定められています。

【認可保育所の設置基準】

  • 年齢;0歳~小学校入学前の児童(2歳未満1割以上、3歳未満2割以上)
  • 定員:20名以上
  • 保育士数:0歳児3人につき1人以上、1歳児および2歳児6人につき1人以上、3歳児20人につき1人以上、4歳以上児30人につき1人以上(※これに加えて、「定員90人以下の施設にあってはこの定員のほかに1人以上の保育士を配置しなければならない」「常時2人を下回ってはならない」という基準があります。)
  • 設備:【乳児室】0歳児および1歳児1人あたり3.3m2【保育室等】2歳児以上1人あたり1.98m2【屋外遊技場】2歳児以上1人あたり3.3m2以上(保育所外の公園等を含む)
  • 給食:自園調理または委託

またこちらの認可保育所に加え、2015年より小規模認可保育園といった新たな設置基準ができました。こちらはA型、B型、C型の3種類があります。

【小規模保育園A型(認可保育所分園型)の設置基準】

  • 年齢;0歳~2歳
  • 定員:6~19名
  • 保育士数:認可保育所の配置基準+1名
  • 設備:認可保育所の設置基準と同じ
  • 給食:自園調理(連携施設からの搬入可)

【小規模保育園B型(中間型)の設置基準】

  • 年齢;0歳~2歳
  • 定員:6~19名
  • 保育士数:認可保育所の配置基準+1名※職員の2分の1が保育士であればよい
  • 設備:認可保育所の設置基準と同じ
  • 給食:自園調理(連携施設からの搬入可)

【小規模保育園C型(家庭型)の設置基準】

  • 年齢;0歳~2歳
  • 定員:6~10名
  • 保育士数:0~2歳児3人につき1人※無資格者も可(研修等必須)
  • 設備:ほぼ認可保育所の設置基準と同じ
  • 給食:自園調理(連携施設からの搬入可)

このように見ると小規模保育制度が始まったことにより、保育所開設までのハードルが下がったことがわかります。今後は都市部など大きな施設が確保しずらい地域で保育所の開設が増える方向に向かうのではないでしょうか。

《認可を得るための諸条件について【物件編】》

園児本日は「認可を得るための諸条件について【物件編】」について述べたいと思います。

各地域、自治体によって条件は変わってくるのですが、東京都の文京区を例にあげてみましょう。

保育所の開設について(2018年文京区HPより)

  •  保育室は児童が安全に避難できるよう、原則3階までとします。(4階以上は不可。)
  •  非常口が、児童の避難上有効な位置に2か所2方向設置されていること。(詳しくは、区担当者へ確認してください。) 
  •  (既存物件の場合)新耐震基準で建築された建物であること。
  •  (既存物件の場合)建物建築時の建築確認申請書、確認済証、検査済証(台帳記載事項証明書でも可。)があるかどうか確認すること。

以上のような条件が文京区では設定されていますが、他にも自治体によっては、

  • 0~5歳を預かる保育園(認可保育園):敷地面積350㎡程度(板橋区)
  • 0~2歳を預かる保育園(小規模保育園):建物延床面積100㎡以上(板橋区)

等の条件が加えられることもあります。

物件選びは保育所開設においてとても重要なポイントとなります。認可保育の諸条件をクリアし、かつ保育の需要を見込める場所を選ぶためには、入念に調査を重ねる必要があります。

《企業主導型保育事業助成金について》

本日は『企業主導型保育事業助成金』についてご説明したいと思います。

『企業主導型保育事業助成金』とは、いわゆる会社が作った保育園に対し、国が助成金を提供する制度です。

会社内のスペースで作ることもできますが、物件を新たに購入したり(※1)借りたり(※2)することも認められています。

※1 建物の新築費用や適合中古物件の購入費用が対象、土地の取得費用は対象外

※2 建物の賃借料のみ対象、土地の借地料は建築等整備を行う年度のみ対象

また地域の会社が共同で作ることも可能で、自社社員の福利厚生を充実させたい会社や、これから保育所を経営しようと考えている起業家の方にとっては朗報といえるのではないでしょうか。

気になる助成金の額ですが、

運営費として、基本額「年間約2600万円」(※3)+各種加算

※3 定員12人[乳児3人、1・2歳児9人]、東京都特別区、11時間開所、保育所比率50%の場合

整備費として、基本額「約8000万円」(※4)+各種加算

※4 定員30人、東京都、新設の場合

となります。

企業主導型保育事業助成金について(内閣府)

この事業のメリット・デメリットを自分なりにまとめてみました。

【メリット】

1.補助金の申請に自治体を通さないでよいのでスピーディに開設できる

2.夜間保育や休日保育、短時間保育など幅広い対応ができる

3.他の会社や地域の子供を受け入れることができる

4.共同出資が可能なので低リスクで保育園経営が始められる

【デメリット】

1.保育所の質の低下

2.事故が起こった際の企業責任が問われる

上記のようなメリット・デメリットが挙げられますが、やはり保育に関する知識の蓄積がない企業が新たに参入することで、保育の質の低下やそれに伴う園内での事故が最も懸念される事項ではないでしょうか。

それでも年間の運営助成金や初期整備費助成金が認可保育所と同等程度貰えることは大きなメリットと言えます。誠実にしっかりとした運営を行なえば安定した収入を確保することは可能です。意欲のある企業には是非とも保育事業の参入のきっかけにしてほしいと思います。

《保育所に土地を貸せば固定資産税全額免除》

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【固定資産税5年間全額免除】

それでは本日は具体的な政策、優遇制度の話をしていくことにしましょう。

まず東京都が保育を拡大するための政策で不動産と直結するのが、『民有地を活用した保育所等整備促進税制』が挙げられます。

これは平成28年11月1日から平成33年3月31日までの間に保育園を開設するための用地として土地を貸した場合に固定資産税と都市計画税が5年間全額無料になる制度です。

『民有地を活用した保育所等整備促進税制の内容』東京都ホームページより

こちらの制度はは東京都以外の埼玉県(戸田市)でも実施されています。

戸田市公式サイト

【事業者にはメリットなし】

ただしこちらの制度はあくまで地主さん(土地所有者)が優遇を受けれる制度ですので、開設する事業者(設置者)がメリットを得られるものではありません。

それでも保育所経営を考えている地主さんを増やす良い機会にもなりますし、建設会社、不動産会社においても積極的に保育園経営を顧客に提案するための好材料となります。

申請手続きですが、減免を受けたい年度の固定資産税第一期納付期限までに申請書類を提出することになります。

所有不動産の利用を考えている方は保育園経営を始める良い機会になるのではないでしょうか。

《なぜ保育に特化した不動産を始めたのか》

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【なぜ保育×不動産】

なぜ保育に特化した不動産を始めたのか聞かれることがよくあります。

その理由としては、『稼ぐため+社会のため』です

私は不動産営業の仕事をしていましたが、常日頃、何か専門的な知識がないとずるずるただの不動産営業として年を取っていくだけだと考えていました。

【きっかけは兄】

そんな中、私の兄が東京でベビーシッターや保育士を派遣する会社を経営しており、兄の話を聞く中で保育業界は保育士や保育所の需要に供給が追い付いてない状態だということがわかりました。

またそのことが原因で小さい子供を持つ世帯が困っており、日本の少子化など社会の大きな問題にもかかわっている状況だということが現場と接している兄の話の中でリアルに感じることができたのです。

そして私の中で『何か特化した知識で稼ぐ+社会のために働く』が繋がり、この保育に特化した不動産を始めようと考えました。

まだ私自身発展途上ですが、不動産と保育の専門的な知識を社会や誰かのために役立てれれば光栄です。