《保育業界の裏側①既得権益の現状について》

お金

本日は保育業界の闇の部分「既得権益」の現状について述べたいと思います。

待機児童問題において、政府の対応が批判される昨今ですが、実はもっと深い問題があります。それは保育業界を牛耳っている民間企業と地方自治体(地方議員)による既得利権の保護のための新規参入の阻止です。

前回のブログでも申し上げた通り、認可保育に対する助成金は0歳児一人当たり月21万円が国から支給されます。保育士一人当たり0歳児は3人まで見ることができますので、×3で計算すると保育士一人当たり毎月63万円の助成金が得られる計算になります。

保護者から頂く保育料はこれとは別で貰うことになりますし、この他にも助成金は数多くあります。この金額から格安の保育士の給料を差し引いたとしても利益はかなり出ていることがわかります。

ではなぜ企業は保育業界に続々と参入できないのでしょうか。

その一番の理由として、既存の保育園経営者が地方議員に働きかけて新規参入のハードルを上げているという事が挙げられます。

実はこれまで認可保育は児童60名以上(特別に認められれば20名)でしか始めることができませんでした。しかも敷地面積は遊戯室200平米以上運動場200平米以上などおよそ都市部では多額の資金が必要になるような条件が付加されており、児童の安全を名目にして、新規参入を阻止する状況になっていたのです。

しかし、待機児童問題の深刻化、「保育園落ちた日本死ね」事件などの影響で、

  • 2015年:小規模保育事業の開始
  • 2016年:企業型企業主導型保育事業助成金の開始
  • 2016年:保育所等整備促進税制(保育所の固定資産税免除)の開始
  • 2017年:認可外保育施設保育料助成制度の開始
  • 2019年:幼児教育・保育の無償化開始(予定)

といった施策が次々と行われようとしています。国も待機児童問題が社会問題と認知されてきたことにより、地方自治体の利権にかまってられなくなってきた様子です。

開業を目指している方にとっては、保育士不足、少子化、補助金の打切り等、まだまだ不安要素が多い現状ですが、新規参入への門戸は開かれつつあるのではないかと思われます。